多くの人が愛用している香水は、様々なブランドやメーカーで取り扱われています。種類が多すぎて迷う人も多いですが、そもそも、なぜ香水は価格に大きな開きが見られるのでしょうか。
こちらでは、香水の一般的な価格や金額の決め手となる高級香水との違い、香水を選ぶ時に気を付けておきたいポイントなどについてご紹介していきます。
香水の相場とは
一般的には量の割に高額な商品というイメージが高い香水ですが、どのような価格相場になっているのでしょうか。
もちろん、香水はブランドやラインによって平均価格が異なりますし、量が多いボトルを選べば高いと感じることも増えていきます。香水の販売量はブランドによって異なりますが、代表的な30ml、50ml、100mlで比較していきましょう。
一般的な価格相場では、30mlの香水ならば1,000~3,000円程度、高級香水であれば6,000円以上です。
そして、50mlの香水になると一般的な商品は2,000~7,000円、高級香水は10,000円以上となり、100mlでは一般的な香水が5,000~1万円、高級香水が1万5000円以上と考えておくとよいでしょう。
ここから見てもわかるように、香水は量に比例して金額が高くなるわけではなく、量が多いほど1mlあたりの単価は割安になっています。
しかし、この中では一番少ない30mlの香水でも、毎日数プッシュする頻度で使い切るまでに約6ヵ月必要です。ちなみに、50mlの香水を同様のペースで使った場合は約11ヵ月、100mlならば約2年かかるといわれていますので、割安だからと大きいボトルを購入しても使いきれない可能性があります。
香水は、未開封のもので3年、開封済みのものは1年が使用期限の目安です。未開封の状態でも、少しずつ蒸発したり劣化したりしますので、1日あたりの使用頻度を考慮して購入するときのサイズを決めた方がよいでしょう。
香水の価格に差ができる理由
では、香水の価格はどのようにして決められるのでしょうか。高級香水と一般的な香水の価格差において決め手となる3つの要因について見ていきましょう。
一つ目は、香料の濃度である賦香率(ふこうりつ)の違いです。そもそも、香水は香料をアルコールに溶かして作られますが、低価格なアルコールの量が多いほど香料の濃度は薄くなり、価格が安くなる代わりに香りや持続力も弱まっていきます。
香水にはいくつか種類がありますが、これは賦香率の違いであり、その種類によっておおよその価格帯が分かれています。
最も高価なパルファムは香料の割合、つまり賦香率も高くなっており、次いでオーデパルファム、オーデトワレ、オーデコロンの順に賦香率が低くなっているということです。
ただし、ハイブランドの商品や他の要因でコストが高い商品の場合、オーデコロンでも賦香率の高い商品と変わらない金額になることも珍しくありません。
なお、パルファムは香料の濃度が濃いため、肌への刺激が強すぎたり、服にシミがついてしまったりすることがあり、近年では使い勝手の良いオーデパルファム以下の商品が大半を占めています。
次に考えられるのが、香料の品質です。賦香率が価格に反映されるように、香水の価格は香料が大きな影響を与えています。
香料が希少価値の高いものであれば、原材料のコストが高額になることから、香水の金額も高くなりがちです。香料のグレードは、めったに入手できないものや自然由来で量産ができないものであるほど、高くなります。
もちろん、香料だけでなく、他の原料にもこだわって高品質なものや希少性の高いものを組み合わせることがあります。その場合も、香水の価格は高くなっていくでしょう。
最後に、香りのオリジナル性も価格に反映されます。賦香率や原料のコストももちろん重要ですが、最終的に香水の金額を決めるのが、このオリジナル性といっても過言ではありません。
高級ブランドが香水を作るときには、その香りをブランドイメージとして広めなければならないため、特に神経を使うプロジェクトです。
香水はつけた直後のトップノート、時間が経過した時のミドルノート、さらに時間をあけて漂ってくるラストノートと徐々にその香りを変えていきます。
その変化それぞれにブランドイメージとしての香りを生み出さなければなりませんので、開発費が相当かかることは想像に難くありません。実績豊富な調香師を雇い、オリジナリティがありながら模倣が難しい香水を作り出しています。
香水を選ぶ時のポイント
このように、価格だけで見たときに香水の原料や賦香率、香りの特徴など様々な要因が関係してきますが、自分で香水を選ぶ時には価格以外にもポイントを押さえて選んでいかなければなりません。
特に高級香水を購入するときは、金額が高いので失敗しないように選びたいものです。以下に、香水を選ぶ時にはどのような点に気を付けて比較すればよいのか、考えていきましょう。
まず気をつけたいのが、購入する香水の量です。普段から頻繁に香水を使う場合には、割安になる50mlや100mlを購入するのもよいでしょう。
しかし、30mlでも6ヵ月もちますので、劣化することを考慮すると、1日1回程度しか使わない人、複数の香水をTPOによって使い分けている人などは、小さめのサイズを買う方が捨てずに使いきれる可能性もあります。
テスターがない場合には、ごく少量で販売されているミニサイズのボトルで試してみるのもよいでしょう。
また、初めて挑戦する香水を購入するときには、店頭で香りを楽しめるのならばまずテスターで自分好みの香りかどうかを確認しましょう。
香水の香りは種類が非常に豊富で、同じフローラル系やフルーティ系でも、商品によって好みが分かれます。実際につけてみて、トップノートからラストノートまでそれぞれの香りを確かめて、長く使えそうだと判断した時に購入するのがおすすめです。
特に、高級香水は購入したものの、好みではなかった場合や使いきれない場合は、捨てなければならなくなります。
高級香水はパルファムやオーデパルファムのように香りが強いものが多いため、使用する頻度もそれほど高くはありません。そして、長時間その香りを纏うことになりますので、自分が心地よいと感じられる香りを探す必要があります。
原材料については、高級香水はこだわったものばかりを選んで作られているので、それほど気にする必要はありません。
しかし、プチプライスの香水を購入するときには、人工の香料ではなく、天然の精油を使っているものを選ぶようにしましょう。天然の精油は高級香水にも使われることが多く、人工香料のような薬品臭がなく、ナチュラルな香りを楽しめます。
購入するときには、香りの好みだけでなく、TPOをわきまえたものであるかも重要です。仕事や学校で使うときには、周囲にその香りを好まない人がいる可能性も考えられますので、控えめな香りで賦香率が低いものを選ぶとよいでしょう。
逆に、プライベートではリラックスしたいとき、体臭をごまかしたいとき、女性らしさや清潔感など、自分のイメージを変えたいときなどで適切な香水を選び、使い分けるのがおすすめです。
香水は自分に合うものを選ぶのがおすすめ
このように、香水は高いものも安いものもありますが、値段が高ければ必ずしも自分が満足できるような香りであるとは限りません。
また、TPOに合わせたり、気分転換に複数の香水を選んだりすることもあるでしょう。自分で香水を選ぶ時には、香水の価格を判断基準にするのではなく、自分がいいと思うものを選ぶようにしましょう。
この記事はMELLフレングランス編集部が監修しました。小分け香水に関して、今後もお役に立つ情報を提供してまいります。