小さなものから大きなものまで、さまざまなサイズの瓶で売られている香水ですが「選択肢が多過ぎて、どのサイズを選べば良いかわからない」「お試しサイズとしてよく見かける5mlの香水は、実際にどのくらい使えるの?」と迷われている方も多いのではないでしょうか。
香水は高価なものでもあるので、できれば後悔のない買い物をしたいところですよね。一般的に大きなサイズの香水の方が量に対する価格が安くなり、お得感があるように思われますが、実は香水には「使用期限」が存在します。使用期限を過ぎてしまうと、保存状態によっては香りや成分が劣化してしまうため、使い切れる量の瓶を選ぶ必要があります。
この記事では、それぞれのサイズの香水が「具体的に何プッシュ使えて、どのくらいの期間もつのか」や「香水の使用期限」「香水を長持ちさせる方法」などについて、詳しくご紹介していきます。どのサイズにするべきか、香水選びに迷った際はぜひ参考にしてみてくださいね。
お試しサイズとしてよく見かける「5ml」瓶の香水は実際どのくらいもつ?
お試しサイズとして見かけることの多い「5ml」の香水の瓶ですが、実際にはどれくらい使うことができるのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
香水がどれくらいもつのかは、スプレー式のアトマイザーなのか、一滴ずつ使える形状のものなのか、瓶の種類によっても大きく異なります。
また、香水は香料の濃度によって大きく4種類に分けられ、それぞれ香りの継続時間や1回に使用する適量が異なります。例えば、香料の濃度が濃い「オードパルファン」や「パルファン」は、手首などに一滴垂らすだけでも何時間も香りを楽しむことができ、小さな瓶で売られていることも多いです。
逆に香料の濃度の薄い「オーデコロン」や「オーデトワレ」の場合、1回につき1〜2プッシュ使用することになります。香りの継続時間も短くなるため、1日中香りを楽しみたい場合は途中で重ね付けをする必要があります。
「オードパルファン」「パルファン」「オーデコロン」「オーデトワレ」これらは一回の使用量をワンプッシュ(約0.05ml)として100回使えると考えられます。「5ml」サイズの香水の瓶について、大体のイメージが掴めたでしょうか。香水の種類とそれぞれの適量については、後の項目でもご紹介しているので参考にしてみてくださいね。
香水の種類とそれぞれの適量について
前述の通り、香水は大きく分けると4つの種類に分けられます。香料の濃度によって分類されており、濃度が高くなるほど「香りの持続時間」が長くなります。ここでは、使用する際の適量やそれぞれの特徴についてご紹介していきます。
オーデコロン
1回の適量:1〜2プッシュ
香りの持続時間:1~2時間程度
香料の割合:3~5%
「オーデ」は、フランス語で「水の」という意味を指し、香水の中で最も香料の濃度が低く、香りの持続時間が短い種類です。さりげなく香りを楽しみたい方や、就寝前に使ってリラックスしたいという方にもおすすめです。
オードトワレ
1回の適量:1〜2プッシュ
香りの持続時間:2~4時間程度
香料の割合:5~10%
軽やかな香りと程よい持続時間で、香水初心者さんにも扱いやすく人気のタイプです。1日中香りを楽しみたい場合は、匂いが薄くなってきたタイミングで重ね付けをする必要があります。
オードパルファン
1回の適量:1〜2滴(スプレータイプの場合は軽く1プッシュ)
香りの持続時間:3~5時間程度
香料の割合:10~15%
香りの継続時間が長く、少しの量でしっかりと香りを楽しむことができます。ただし香りが強い分、使うシーンや付け過ぎには注意が必要です。
パルファン
1回の適量:1〜2滴(スプレータイプの場合は軽く1プッシュ)
香りの持続時間:5〜7時間程度
香料の割合:15~30%
最も香料の濃度が高い種類になり、わずかな量でも長時間、濃厚な香りが楽しめます。日本ではあまり流通しておらず、取り扱いのあるお店も限られています。
香水はどのくらいもつ? 【瓶の容量別】1日の使用回数(プッシュ回数)ごとの目安
ここでは、香水がどのくらいの期間もつのか「瓶の容量別」にご紹介していきます。それぞれ、1日の使用回数(プッシュ回数)ごとの目安を表記しています。
「どの種類の香水を、どのくらいの頻度で使うのか」を考慮しつつ、参考にしてみてくださいね。
また通常の香水は1プッシュ=約0.13〜0.15mL、小さめの容器で1プッシュ=約0.05~0.07mLと言われています。以下では、1プッシュ=0.1mlとして目安の期間を計算しています。
少量の香水をできるだけ長持ちさせたい場合や、1プッシュの噴射量が多いと感じる場合は、ロールオンタイプやサイズの小さいアトマイザーに移し替えて使うのもおすすめです。香水の付け過ぎ防止にもなります。
(1)「1ml」瓶の香水はどのくらいもつ?
1日1プッシュ使う場合:10日間
1日2プッシュ使う場合:5日間
1日3プッシュ使う場合:4日間
(2)「5ml」瓶の香水はどのくらいもつ?
1日1プッシュ使う場合:50日間
1日2プッシュ使う場合:25日間
1日3プッシュ使う場合:17日間
(3)「10ml」瓶の香水はどのくらいもつ?
1日1プッシュ使う場合:100日間
1日2プッシュ使う場合:50日間
1日3プッシュ使う場合:34日間
(4)「15ml」瓶の香水はどのくらいもつ?
1日1プッシュ使う場合:150日間
1日2プッシュ使う場合:75日間
1日3プッシュ使う場合:51日間
(5)「30ml」瓶の香水はどのくらいもつ?
1日1プッシュ使う場合:300日間
1日2プッシュ使う場合:150日間
1日3プッシュ使う場合:100日間
(6)「50ml」瓶の香水はどのくらいもつ?
1日1プッシュ使う場合:500日間
1日2プッシュ使う場合:250日間
1日3プッシュ使う場合:167日間
(7)「100ml」瓶の香水はどのくらいもつ?
1日1プッシュ使う場合:1000日間
1日2プッシュ使う場合:500日間
1日3プッシュ使う場合:333日間
(8)「150ml」瓶の香水はどのくらいもつ?
1日1プッシュ使う場合:1500日間
1日2プッシュ使う場合:750日間
1日3プッシュ使う場合:500日間
(9)「200ml」瓶の香水はどのくらいもつ?
1日1プッシュ使う場合:2000日間
1日2プッシュ使う場合:1000日間
1日3プッシュ使う場合:666日間
意外と短い?香水の使用期限について
実は香水にも使用期限があるのをご存知でしょうか? ほとんどの香水に使用期限は明記されていません。
しかし適切な使用期限を過ぎてしまうと、保存状態によっては香りや成分が劣化する恐れがあるため、できるだけ期限内に使い切れる量の瓶を選ぶことをおすすめします。
「容量の大きい瓶の方がお買い得!」と、大きいサイズの香水を購入する前に、香水の使用期限について頭に入れておきましょう。
香水の使用期限は、開封済みか未開封かによっても異なります。以下で詳しく解説していきます。
(1)開封済みの香水の使用期限について
パッケージを開封している場合、香水の使用期限は約1年と言われています。香水の劣化は、空気や日光にさらされたり皮脂や雑菌が入り込むことによって進むため、保管方法や使用環境によっても劣化のスピードは変わります。
後の項目では、香水の正しい保管方法についてご紹介しています。
適切な環境で保管、使用することで、できるだけ香りや品質を損なわずに長持ちさせましょう。
(2)未開封の香水の使用期限について
未開封の香水の場合、使用期限の目安は約3年になります。日本の医薬品医療機器等法(旧薬事法)では、製造後3年以内に変質する化粧品以外は使用期限を表示しなくてもよいとされています。
現在流通しているほとんどの香水に、使用期限は明記されていません。つまり、製造日より3年間以上の品質保証がされていると考えられます。
香水の正しい保管方法について
最後に、香水の正しい保管方法についてご紹介します。適切な環境で保管、使用することで、できるだけ香りや品質を損なわずに長持ちさせましょう。
(1)開封済みの香水は瓶のフタをきちんと閉める
香水は、空気に触れることによってアルコールの揮発や成分の酸化が進み、劣化が早まります。開封済みの香水は、瓶のフタをきちんと閉めておきましょう。
(2)日光やディスプレイライトが当たらない場所に保管する
日光に含まれる紫外線や蛍光灯の光には、香水の成分を変質させてしまう働きがあります。
香水の瓶はおしゃれなデザインのもの多く、窓辺やディスプレイライトの下に飾っている方も多いかも知れません。香水を長持ちさせるためにはできるだけ光の当たらない場所に保管することをおすすめします。
長期間使用しない場合は、箱の中に保管するか、黒い布をかけておくと良いでしょう。
(3)温度変化が激しい場所を避けて保管する
香水の劣化は温度変化によっても進みます。香水の保存に最も適した温度は15度以下と言われています。高すぎると成分が揮発し、低すぎると結晶化の原因となります。
室内の気温が上昇する暑い時期には、においうつり防止のためジップロックなどで密閉し、冷蔵庫やワインクーラーの中に保管するのもおすすめです。
【まとめ】
どのサイズの香水がどれくらいもつのか、大体のイメージが掴めたでしょうか? 香水は1度に使う量も少なく、使い切るまでには思った以上に時間がかかるものです。
香水本来の香りを楽しむためにも、保管方法に配慮しつつ「使用期限内に使い切れる量」を目安に購入することをおすすめします。
この記事はMELLフレングランス編集部が監修しました。小分け香水に関して、今後もお役に立つ情報を提供してまいります。