好きな香りを楽しむために、直接服に香水を付ける人もいます。しかし、衣類の汚れにつながったり、香水本来の香りを発揮できないため、あまりおすすめできません。
香水は香りの強さや持続時間を示すために4つの種類に分かれていますので、それぞれに合った付け方があります。
この記事では、香水の種類に合った失敗しない付け方や付けすぎた時の対処法などをご紹介します。
香水を服に付けるとシミになる
香水を服に付けると、2つのデメリットがあります。1つは、衣類に付けるとシミになることです。香水は香料や油分、アルコールなどさまざまな成分を含んでいます。
この成分は日光に当たると茶色く変色するため、たとえ香水自体が透明であっても衣類に付けるとシミになります。
特に着るたびに洗濯しないアウターなどはシミが定着して落ちづらくなるため、注意が必要です。シミになった場合はアルコールもしくは重曹で対処できます。アルコールは消毒用をそのまま、重曹は水を加えてペースト状にしてから中性洗剤と混ぜます。
服の下にタオルなどの当て布を敷き、上から塗布しましょう。外側から中央に向かって叩き、当て布にシミを移します。後は洗濯すればシミ取りは終了です。
もう1つのデメリットは、服では香水本来の香りを発揮できないことです。香水は、体温によって香りが立つようになっています。
肌に近ければ服でも体温が伝わりますが、直接肌に付けた場合に比べて温度が低く、香りも弱くなるでしょう。しかし、ほのかに香らせたいなら、服に付けるのも選択肢の1つです。ただし、シミにならないようにつけ方に注意しましょう。
香水は種類と付ける場所によって香りの強さが違う
香水は香りの強さや持続時間によって、4つの種類に分けられています。香りの持続時間が1~2時間の「オーデコロン」、2~4時間香りが続く「オードトワレ」、3~5時間の「オードパルファン」。
そして持続時間が5~7時間の「パルファン」です。「オーデ」や「オード」は水を意味し、パルファンをベースに香りを薄めて調節しています。コロンやトワレは持続時間が短いため、香水を携帯して付け足すことが前提になり、パルファンを付けるのは1日1回です。
また、香水は付ける場所によって香りの伝わり方が変わります。鼻から近い上半身は香りを強く感じ、鼻から遠い下半身は香りを弱く感じます。
体温によって香りが立ちますので、上半身であれば首や手首などの動脈に近い部分に付けましょう。下半身なら足首やヒザ裏に香水を付けます。汗で流れやすい脇や足の裏は避けましょう。
そして、多くの香水にはアルコールが含まれていますので、肌がアルコールに敏感に反応する人は直接付けないように注意が必要です。
失敗しない香水の付け方
失敗しない香水の付け方は3つあります。1つ目は、1カ所に1プッシュです。首や手首、足首、ヒザ裏などの1カ所に1プッシュだけ付けましょう。
なぜなら、2~3プッシュ付けても香水の持続時間は変わらず、香りが強すぎる香害になってしまう可能性があるからです。迷惑にならず、周囲や自身も香りを楽しめるように、持続時間を過ぎてから付け足しましょう。
もう1つは、まず手首に付けることです。手首以外に直接付けると服や髪などにも付く可能性があります。
シミや髪のダメージにつながりますので、20~30cm離して手首に香水を1プッシュし、両手首をこすり合わせてから首や足首に付けましょう。
手首に香水を付けたくない場合は、別の部分に付けた後で付けすぎた部分を洗い流します。
最後はシミにならずに衣類に香水を付ける方法です。ティッシュやキッチンペーパーなどに香水を染み込ませ、ハンカチに包んでタンスやクローゼットに置きましょう。直接衣類に香水が当たりませんので、シミになる心配がありません。
香水を付けるタイミング
香水の香り方には3段階あります。付けて30分までの「トップノート」、香りのバランスが良い「ミドルノート」、ほのかな香りの「ラストノート」です。
トップノートは香りが強く、車などの密室や食事の際には避けた方がいいタイミングです。そのため、外出や食事の30分前には付けておいた方が良いでしょう。
また、レストランや寿司屋では香水の香りがマナー違反になる場合がありますので注意が必要です。レストランではワインの香りを楽しむ人もいます。
ワインの香りの邪魔になってしまいますので香水は付けないか、控え目に付けるようにしましょう。寿司屋ではカウンターは食材から近く、他に香りが強いものも少ないことから、香水の香りが際立ってしまいます。
同行者や周りの客の迷惑になってしまうため、この場合も香水の使用は控えた方が良いでしょう。
香水を付けすぎた時の対処法
香水を付けすぎてしまい、急いで香りを抑えたい時にはアルコールを使います。香水に含まれている成分をアルコールで分解できますので、香りを弱められます。
コットンやティッシュにアルコールを染み込ませ、優しく拭き取るようにしましょう。強くこすると赤くなりますので注意が必要です。衣類に付いた香りを取るには1度洗濯しますが、その前に重曹に浸けます。
お湯1リットルに50gの重曹を溶かし、30分程度浸けておきましょう。その後、洗濯すれば香りを抑えられます。
香水は服に直接付けず、1カ所1プッシュしよう
香水を服に直接付けるとシミになるため、ほのかに香らせたい場合は間接的に香りを移す方法が適しています。また、肌に付ける時は1カ所1プッシュを基本に、持続時間を過ぎてから付け足し、香害になるのを避けましょう。
香水の香りを楽しむためには、周りへの気遣いが大切です。自身と周囲も香りを楽しめるように、失敗しない付け方を取り入れてみてはいかがでしょうか。
この記事はMELLフレングランス編集部が監修しました。小分け香水に関して、今後もお役に立つ情報を提供してまいります。