香水はどこに付けていますか。中には服に付ける方もいるかもしれません。ですが、本来は香水は服に付けるものではないことをご存知でしょうか。
この記事では、香水を服に付けるとどうなるのか、本来の香水の付け方とメリットや注意点、服に付ける方法をご紹介していきます。
本来の香水の付け方
香水は、プッシュ式のものやボトルに入っている状態のものなどさまざまあり、ボトルからアトマイザーなどに移して使われている方も多いかもしれません。香水を買っても、香水をどこにどう付けるのか、説明書きなどが付いているケースはあまりありません。
そのため、正しい付け方を知らない方も多いのではないでしょうか。香水を服に付ける方、カバンやマフラー、スカーフなどの身に着けるものにプッシュして付ける方も多いと思います。
ですが、本来の付け方は、服などのアイテムではなく、肌に付けるのが正しい付け方です。耳の後ろや首筋が王道ですが、どのくらいかぐわせたいか、TPO、立場や気分などにより、手首などに付ける方もいます。
香水をなぜ肌に付けるのかというと、香水は温まることで香りが変化するからです。人の体温によって揮発していき、トップノート→ミドルノート→ラストノートという独特の変化が楽しめます。
そのため、肌に付けて楽しむのが本来の付け方です。また、服に付けると香水の成分が服について、変色することやシミになるおそれがあるため、一般的には推奨されていません。
服に付けてはいけないのか
では、香水は服に付けてはいけないのでしょうか。もし、本来は肌に付けるものだと知らずに服に付けているとすれば、香水の使い方を知らない人と思われてしまうおそれがあり、恥ずかしい思いをするかもしれません。
一方、服に付けるリスクを理解したうえで、あえて自分の希望や好みで服に付けるなら問題ありません。
たとえば、夏場など汗ばむシーズンに肌に付けると、香水と汗が混じって臭くなると不安になる方や敏感肌で肌に付けるとかゆくなるような気がするという方、肌に直接香りがつくのが嫌な方などです。
あえて服に付けたいという方は、シミや変色など服にダメージを与えて後悔することにならによう注意したうえで、付けても問題ありません。その際は、後からご紹介する、おすすめの服へ香水を付ける方法も参考にしてください。
香水を服に付けることで生まれるメリット
香水を服に付けることでのメリットもあります。どのようなメリットがあるのでしょうか。
香りが和らぐ
香水を肌に直接付けると、自分が感じる香りが強すぎると感じるケースもあります。この場合、服に付けることで香りを緩和することができます。
飲食業や介護、看護の仕事など、仕事がら肌に直接付けて仕事ができないといった方もいるかもしれません。
しかし、香りを嗅ぐと気分が落ち着く、ストレスが緩和されるという方もいるかもしれません。
そんな方は通勤時に服の裏などに付けて出勤すると、通勤の間、良い香りに癒されます。
職場では着替えてしまうので、強い香りで迷惑をかける心配はありません。服に付けても、自分にはほんのり余韻の香りが残って癒されることもあります。
香りの持続やテンションアップ作用
香水は人肌による揮発を通じて、香りの変化を楽しむのが本来の方法ですが、中には最初の香りが特に好きという方もいると思います。
好みの香水の香りでリフレッシュしたい方やテンションを上げたいといった方は、肌ではなく、服に付けたほうが、最初の香りを楽しめます。
揮発が遅くなり、最初に感じるトップノートの香りが持続しやすくなるためです。
高級な香水を効率的に楽しむ
香水は、オーデコロンなどに比べると、香りの原液に近いのでとても高価です。
わずかな量で香る一方、ほんの少しの量で数万円するケースも少なくありません。
肌に付けるとラストノートの余韻が残っていても、シャワーを浴びれば消えてしまいます。
そのため、服に付けておくと翌日まで香りが残っている場合や数日間ほんわりと香るので、少量でも長く楽しむことができます。
コストパフォーマンスを高めたい方、節約志向の方におすすめの付け方です。また、体臭対策や香り対策にもなります。
香水を毎日付けて、自分の気になる香りや家庭臭、ペット臭などを予防したいといった場合、うっかり付け忘れて出かけてしまうと、テンションが下がり、臭いが気になって憂鬱な気分になるかもしれません。
そんな時、毎日着るコートやジャケットに香水を吹きかけておくことや前夜に翌日着ていく服を用意する際に吹きかけておけば、付け忘れを防ぎ、ほんのりとかぐわせることができます。
香水を服に付ける時の注意点
香水を服に付ける際に気を付けたいことがあります。1つは自分に対する香りと、周囲に対する香りの違いです。
直接肌に付けると自分には強く香りますが、周囲にはそこまで強くは感じられません。
一方、服に付けると自分ではふんわり感じても、周囲にはかなり香りが漂うことがあります。
肌に付ける場合、自分で香りを強く感じられるので、手指でひと塗りだけやワンプッシュからツープッシュ程度にとどめる方が多いです。
一方、服に付ける場合、思い切りかけてしまう方も多く、周囲に与える香りが強すぎる場合もあるので気を付けましょう。
香りが好きな方もいれば、スメルハラスメントとクレームを言われてしまうおそれもあります。
もう1つ、注意したいのは、服の変色やシミができるおそれがあることです。
香水の成分は主に香料とエタノールですが、香料由来の色が付いている場合や無色透明でも成分が反応して、服にシミができることもあるので気を付けましょう。特に高価な服や目立つ場所に付けるのは避けましょう。
香水を服に付ける際のおすすめの方法
衣料用の消臭剤並みに服の表面に思い切り付けてしまうと、シミになるおそれがあります。
また、香りのタイプや付ける量によっては、周囲に与える香りが強すぎ、スメハラと言われてしまうおそれもあるので注意が必要です。
そこで、服へのダメージを抑えながら、自分にも周囲にもほどよく香り、楽しめる方法として、以下のような付け方をしてみてはいかがでしょうか。たとえば、コートやジャケットの裏地に付けます。
裏地ならシミになりにくく、シミが付いても見せる部分ではないので、気にせずに済みます。
女性の場合、スカートの裏地や裾の裏側などに付けるのもおすすめです。香水は足元に付けるイメージはあまりないかもしれません。
実は、香水の香りは揮発性なので、下から上へ香る流れになっています。香りを楽しむには鼻の近くでないと意味がない、だから耳の裏や首筋に付けるのではと思う方も、より長く香りを楽しみたいなら、下のほうに付けたほうが、流れてくる香りを長く楽しめます。
足のほうに付けることで、歩くたびにふんわりと香るなど、柔らかな香りを楽しむことができるので、ぜひ一度試してみてください。
香水を付けたいけれど、最初のパンチのある強い香りが苦手といったジレンマを抱えている方も、スカートやズボンの裾の裏側などに付けてみましょう。
まとめ
香水は人肌で温まることで揮発して香りの変化が楽しめるため、本来は肌に直接付けるものです。
もっとも、香りが強すぎる、持続しないなどの悩みがある方や肌に直接付けるのが苦手な方は服に付けても問題はありません。
ただし、服の変色やシミができないよう、付ける場所を工夫するなど気を付けましょう。
この記事はMELLフレングランス編集部が監修しました。小分け香水に関して、今後もお役に立つ情報を提供してまいります。