香水は、1瓶を使い切るまでに時間がかかることも多いものです。少しずつ大事に使いたい香水ですが、使用期限も気になるところ。この記事では、香水の適切な使用期限を始め、正しい保管方法、劣化の判断基準について詳しく解説していきます。また、使用期限の過ぎてしまった香水の活用方法についてもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
香水の使用期限について
長期間使わずに放置してしまった香水。いつまで使用しても良いのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。香水の使用期限は、開封済みか未開封か、その状態によっても変わってきます。以下で詳しく解説していきます。
(1)開封済みの香水の使用期限は約1年
パッケージを開封済みの香水の適切な使用期限は約1年と言われています。意外と短い!と驚かれる方も多いのではないでしょうか。香水は1度に使う量も少なく、開封しても使い切るまでに時間がかかるものです。香水本来の新鮮な香りを楽しむためにも、複数を使い分けたり、頻繁に使わない場合は、短期間で使い切れるように少量の小瓶を選ぶようにしましょう。
また、保存状態や使用環境によっては1年よりも早く劣化したり、反対にもっと長持ちする場合もあります。香水の劣化は、空気や日差しにさらされたり、皮脂や雑菌が入り込むことによって進みます。香水の適切な保存方法や劣化の判断方法については、後の項目で詳しくご紹介していきます。
(2)未開封の香水の使用期限は約3年
未開封の香水の使用期限の目安は約3年になります。ほとんどの香水には、使用期限は明記されていません。日本の医薬品医療機器等法(旧薬事法)では、製造後3年以内に変質する化粧品以外は「使用期限を表示しなくてもよい」ことになっています。つまり、使用期限が表示されていない製品は、製造日より3年間以上の品質保証がされていると考えられます。
未開封の香水の使用期限は、パッケージなどに記されている「製造年月日」を参考にしてみましょう。
香水の正しい保管方法について
香水の使用期限は、保管方法や使用環境によっても変わってきます。適切に保管することで、できるだけ香りを損なわずに香水を長持ちさせましょう。
(1)光が直接当たらない場所に保管する
日光に含まれる紫外線は、香水の成分を変質させ香りを損なわせてしまう可能性があります。また、直射日光だけでなく蛍光灯の光でも同様です。
おしゃれなデザインのものも多い香水の瓶は、つい窓辺やディスプレイライトの下に飾っておきたくなりますが、香水の劣化を防ぐために光が直接当たらない場所で保管するようにしましょう。使わない時は箱の中に保存する、黒い布などをかけておくなどして光を防ぐとさらに効果的です。
また、香水をつけた肌を直射日光にさらすことで、肌荒れやかぶれを引き起こす可能性もあります。香水をつける際は、できるだけ日光に当たらない場所を選びましょう。
(2)温度変化が激しい場所を避けて保管する
香水の劣化は、光だけでなく温度変化によっても進みます。温度が高すぎると成分が揮発し、低すぎると結晶化の原因となります。香水の保存に適した温度は15度以下と言われており、最も適している保管場所としては冷蔵庫やワインクーラーの中となります。香りが気になる場合は、ジップロックなどの気密性の高い袋に包んで保管するという方法も。長期間の保管の際は試してみてはいかがでしょうか。
(3)瓶のフタをしっかりと閉める
開封済みの香水は、しっかりと瓶のフタを閉めて保管しましょう。フタが空いていたり、緩んだままの状態では、アルコールの揮発や香水の酸化を進め、劣化を早めてしまう原因になります。
香水の劣化を判断する方法
香水の劣化の判断基準は「香り」と「色」です。香水の劣化が気になる際は、それぞれを確認してみましょう。
(1)香りの変化について
香りの中に「古い油」のようなにおいを感じたら要注意です。香水を直接におった際には気にならなくても、肌につけて時間が経ってから不快なにおいを感じることもあります。少しでも異臭を感じたら、肌につけるのを控えた方が良いでしょう。
また、香りが薄くなったと感じるのも香水の劣化のサインです。アルコールが揮発した香水内は雑菌が繁殖しやすく、成分も大きく変質している危険性があります。
(2)色の変化について
長期間使用していない香水は、その「色」の変化にも注目してみましょう。透明だったものが濁っていたり、容器の中にカビなどが発生している可能性があります。変色や異物が確認できる場合は使用を控えましょう。
瓶自体に色がついていて判断しにくい場合は、白い布などに吹き付けて変色がないか確かめてみましょう。吹き付けてからしばらく時間を置いてから変色が始まる場合もあります。
使用期限が切れた香水の活用方法について
最後に、使用期限が切れてしまった香水の活用方法についてご紹介します。使用期限が過ぎてしまったからと言って、捨ててしまうのももったいない高価な香水。以下のような方法で有効活用してみてはいかがでしょうか。
(1)ルームフレグランスとして
使用期限の過ぎた香水は、ルームフレグランスとして活用するのがおすすめです。アロマ式の加湿器にアロマ代わりに数滴垂らしたり、瓶の中に香水を入れ、竹串を数本刺してリードディフューザーを作ることもできます。
また、瓶のフタを外して棚の上などに置くだけでも部屋の中にほんのり香りが広がります。ただし、瓶が倒れてしまわないように置き場所には注意しましょう。
(2)クローゼット、靴箱内のアロマとして
ハンカチやコットンなどに香水を少量含ませて、クローゼットや靴箱内に置いておくのも良いでしょう。香水は、工夫次第でいろいろな場所のアロマとして活用できます。肌に使える香水は、比較的安心して使用できるのも嬉しいポイントです。
(3)トイレの芳香剤として
香水を染み込ませたコットンやガーゼをお皿などに載せれば、トイレの芳香剤としても活用できます。さらに、空き瓶に重曹を入れ香水を垂らせば、簡単に芳香消臭剤を作ることもできます。消臭効果の切れた重曹はお掃除用として再利用も可能です。
その他、トイレットペーパーの芯の部分に香水を少量ふりかけておけば、トイレットペーパーを使うたびにさりげなく良い香りを漂わせることができます。
5、使用期限の切れた香水の処分方法について
劣化が激しい香水は、適切な方法で処分しましょう。においの強い香水は、トイレやシンクに流してはいけません。
香水を処分する際は、新聞紙などの古紙や古布をビニール袋に入れ、そこに染み込ませるように残った香水を流し入れます。全ての香水を染み込ませたら、液体やにおいが漏れ出さないように袋を重ねるなどして密封し燃えるゴミに出しましょう。香水の瓶やその他のパーツは、地域ごとのゴミの分別方法に従って処分しましょう。
【まとめ】
開封済みなら約1年、未開封なら約3年と、意外にも短い香水の使用期限。香水本来の新鮮な香りを楽しみたいなら、できるだけ使い切れる量のパッケージを選ぶことが重要です。また、直射日光や激しい温度変化を避ける、瓶のフタはしっかり閉めるなど、適切な保存方法を頭に入れて香水の劣化を防ぎましょう。
この記事はMELLフレングランス編集部が監修しました。小分け香水に関して、今後もお役に立つ情報を提供してまいります。